特殊なガラスの購入はコストというリスクがつきまとう

g_062貧乏で床がぬけている家に住んでいたという夫は、それなりに成功している部類の人間になっても、昔の経験や思いは決して忘れないのだそうです。夫の故郷は日本海側の冬の寒さが厳しい地域で、古い木造家屋で窓枠も老朽化し、窓ガラスの薄い家で過ごす冬場は、家の中で暖房器具を付けていても、上着が手離せなかったといいます。一般の中流家庭育ちの私にはちょっと想像できなかったのですが、新婚時代を過ごした都会の気密性の良いマンションでも、子どもの頃の生活習慣が忘れられず、暖房は控えめに使用して厚着をする夫に、貧乏性だとバカにする気持ちはありませんでした。

そんな私たちがこの度、マイホームを建てます。夫は、外見的なデザインは全て私の好みに合わせて選んでいいと言ってくれています。ですが建築資材については、専門家とよく相談して、後悔のない家にしたいと言っています。特に夫が気にしているのは、断熱材や窓ガラスなどについてです。特殊なガラスの購入はコストというリスクがつきまとうのは当然ですが、贅沢をしたいというわけではなく、機能性の高い良い窓ガラスを入れて、私や家族を守りたいのだと夫は言います。彼の脳裏には、寒い日本海側の木造家屋の中で、厚着をして過ごした小さな頃の自分が浮かぶのでしょう。

昔と比べると、ガラスの質は随分よくなっているようですが、それ以上に今は、割れにくい強化ガラスや、外部の寒さ暑さを内部に伝えにくくしているペアガラス。紫外線を防止してくれる窓ガラス。防音機能の高い窓ガラスもあるようです。家中の全ての部屋の窓に特殊なガラスを入れることはどうなのだろうと思いますが、夫は予算が許す限り、なるべく良いものを使用したいと考えているようです。寒がりな私にはありがたい話ですが、部屋の中で厚着をすることも地球規模のエコの観点からは賛成できますし、行きすぎず、彼が満足できる家に仕上がればいいなと思っています。